FX取引を始めてみたいと思っている方でも、実際にどのように取引すれば失敗しないのか迷っている方は多いのではないでしょうか。
FX取引は、2つの通貨のペアを選択して行いますが、通貨には多くの種類があり、通貨ペアごとに特徴が異なります。
そのため、FXの取引で成功するためには、通貨の組み合わせごとに戦略を変える必要があります。
この記事では、FXのメリットとリスク、通貨ペアを選ぶポイント、FX初心者におすすめの通貨ペアについて紹介します。
FX取引を始めてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
この記事のかんたんまとめ
・FXは通貨ペアを選択して取引するため、通貨の選択が重要
・通貨ペアを選ぶポイントには流動性、ボラティリティ、情報の豊富さ、スプレッド、スワップポイントがある
・初心者におすすめの通貨ペアは、リスクが低い米ドル、ユーロ、円の基軸通貨
FXは通貨ペアを選択して取引
FXは、各通貨を交換したときの差額で利益を得る取引で、必ず通貨ペアの組み合わせで取引を行います。
例えば、米ドルの取引をする場合は米ドル単体で取引するわけではなく、米ドル/円、米ドル/ユーロといった、他の通貨と組み合わせて取引します。
そのため、FX取引で利益を得るためには、2カ国の通貨のファンダメンタル情報やその国の経済状況などを把握しておくことが必要です。
また、通貨ペアで取引するため、その組み合わせの数が多く、選択ミスするだけで大きな失敗につながることなどから、初心者には難しく感じる要因となっています。
FXのメリットとリスクについて
ここでは、FXのメリットとリスクについて解説します。
FXは多額の利益を得られるというメリットが目立ちますが、その反面、リスクも存在します。
FXのメリットとリスクの両方を理解した上で、FX取引を始めましょう。
FXのメリット
FXには様々なメリットがあります。
ここでは、そのメリットについて解説します。
通貨の価値が変動すれば利益が出せる
FXでは、1つの通貨の価値が高くなるか安くなるかに関わらず、通貨の価値が変動するだけで利益を出せます。
例えば、株式投資の場合は、株価が上がれば利益になり、株価が下がれば損失になります。FX取引の場合、通貨の価値が上がっても下がっても利益を出せます。
少額で取引ができる
FXの最大の特徴として、レバレッジという仕組みがあります。
これは、本来必要な資金より大きい資金で取引ができるという意味で、レバレッジが25倍だと、4万円の資金で100万円分の取引ができることになります。少額の取引でも多額の資金で取引できるため、大きな利益を獲得できます。
24時間取引ができる
FXは、平日24時間取引ができる点も特徴の一つです。
株式投資の場合、通常は9時から11時30分、12時30分から15時までとなっていますが、FXの場合、世界中で常に取引されているため、24時間取引ができます。
FXの業者はスマホアプリを提供しているため、ネットに接続できる環境であれば、アプリを使うことでいつでも取引が可能です。株式投資では、取引されている期間に時間が取れないと投資は困難ですが、FXであれば空いた時間に取引できます。
手数料が無料
ほとんどのFXの業者では、取引の手数料が無料です。
口座開設手数料や取引手数料、ロスカット手数料などが無料となっています。
ただし、FXの取引にかかるコストがすべてゼロというわけではないため注意しましょう。FXでは、通貨の売値と買値の差をスプレッドと呼びますが、このスプレッドが実質的な取引のコストになります。
スプレッドは業者によって異なりますので、FX業者を選ぶ際には、スプレッドで比較してみましょう。
FXのリスク
ここまで、FXのメリットについて解説しましたが、FXにはリスクも存在します。
リスクをよく理解しないままFX取引を始めてしまうと、大きな失敗につながるケースがあるため、十分に理解しておいてください。
ロスカットのリスク
FXの最大の特徴がロスカットという制度で、強制決済という意味です。FXの取引では、買いや売りなどのポジションを設定しますが、ロスカットが行われると、それに関係なく決済が完了します。
特にネガティブなイメージを持つ方が多いロスカットですが、これは本来、損失の拡大を防ぐための制度です。もしロスカットが存在しない場合、預けた証拠金をすべて失うだけでなく、追加で資金を支払わなければならないケースも発生します。
ロスカットが発生すると、その決済により損失が確定しますが、原則として最低限の資金は保証されます。
ただし、通貨価格が急激に変動した場合は、預けた証拠金よりも大きい損失が発生する可能性があり、その場合は、追加で資金を支払うことが必要です。
ロスカットにネガティブなイメージが強いのは、高いレバレッジをかけていて、通貨価格が急激に変動した場合にロスカットされると、追加で多額の資金を支払う必要があるためです。
ロスカットのリスクを減らしたい場合は、価格変動率が低い通貨ペアを選んだり、レバレッジをあまりかけないようにする必要があります。
為替変動リスク
各通貨の価値は、様々な要因によって常に変動します。この変動を予測して取引できれば利益になりますが、予想と反する動きをした場合は損失が発生します。
このような、通貨の価値の変動による損失のリスクが為替変動リスクです。
金利変動リスク
FXには、スワップポイントというものがありますが、これは通貨ペアの対象となる国家間の金利差で決定されます。取引を始めた段階では、スワップポイントがプラスであった場合でも、その後に、国家間の金利差が反転した場合は、スワップポイントがマイナスになるケースがあり、その場合はスワップポイントを支払う必要があります。
また、スワップポイントが低下することが要因で、相場の下落につながることもあります。
流動性リスク
FXの取引では、流動性も要素の一つです。
各国の祝祭日や取引時間帯などの理由により、通貨の売買が活発ではなくなった場合、自分が希望している取引が成立しづらくなるケースがあります。
例えば、新興国の通貨を取引する場合、米ドルなどの主要な通貨とは異なり、時間帯によっては売買する人や取引量が少なくなり、売り手や買い手がいないという状況になることがあります。
この場合、取引自体が困難になることがあり、これが流動性リスクです。主要な通貨を選んでいる際には発生しにくいリスクですが、特に新興国の通貨を取引する場合には、注意すべきリスクになります。
スリッページリスク
FX取引において、注文時に指定したレートと、実際に約定したレートの間に生じた差のことをスリッページと言います。特に為替相場が急激に変動した場合、このスリッページは大きくなり、希望した価格とは大きく異なる価格で注文が成立するケースがあります。
これがスリッページリスクです。このスリッページリスクを回避するためには、約定率が高いFX業者を利用しましょう。
約定率とは、希望した価格通りに取引が成立する確率のことで、FX業者により異なります。FX業者を選ぶ際には、スリッページリスクを回避するため、約定率についても比較検討するようにしましょう。
FXの通貨ペアの分類
FXの通貨ペアは、大きく分けて以下の2種類に分類されます。
ドルストレート
クロス通貨
このそれぞれについて解説します。
ドルストレート
ドルストレートのドルとは、アメリカドル(USD)のことで、ドルは世界の基軸通貨であり、最大の取引量があります。そのため、FXの取引では、このドルを中心に行われるのが一般的です。
このアメリカドルが含まれる通貨ペアのことを「ドルストレート」と呼ばれています。ドルストレートは、為替市場で直接取引されているため、クロス通貨と比較して取引量が大きいのが特徴です。FXではドルストレートが基本であるため、通貨ペアとしてよく選ばれています。
クロス通貨
上記で解説したアメリカドルが含まれていない通貨ペアのことをクロス通貨と呼び、具体的には、円が含まれる場合は「クロス円」、ユーロの場合は「クロスユーロ」などと呼ばれます。ドルストレートの場合は、為替市場で直接取引されますが、クロス通貨の場合は、一度ドルストレートを介してから取引されます。
具体的には、ユーロ/円の買い取引の場合、ユーロ/米ドルの買い取引とドル/円の買い取引を同時に行うことで、ユーロ/円の買い取引が行われます。このクロス通貨は、値動きが不自然になるケースがあるため注意しましょう。
理由としては、クロス通貨の取引では、2種類のドルストレートの通貨ペアの取引が行われる点が挙げられます。
FX通貨ペアを選ぶポイント
FXの取引を行う場合、通貨ペアを選ぶことが必要です。ただ、通貨ペアには数多くの組み合わせが存在するため、どれを選ぶべきか分からない方も多いと思います。ここでは、通貨ペアを選ぶ際に注意すべきポイントについて解説します。
流動性
通貨ペアを選ぶ際のポイントとして「流動性」があります。この流動性とは、その通貨の取引の活発さのことで、取引が多いかどうか、という意味です。
FXの取引では、「買い手」と「売り手」が両方いることで取引が成立します。そのため、通貨の取引量が多くなると、買い手や売り手の多くなるため、取引が成立しやすくなります。
一方で、流動性が低い通貨の場合、取引を希望しても買い手や売り手が少ないため、取引がなかなか成立しない場合があります。そのため、FX取引の初心者が通貨ペアを選ぶ際は、流動性が高い通貨ペアを選ぶようにしましょう。具体的には、米ドル、ユーロ、円の基軸通貨は流動性が高くなっています。
ボラティリティ(価格変動率)
ボラティリティ(価格変動率)とは、その通貨ペアがどの程度の価格の変動があるかを示します。FXではこのボラティリティが重要で、ボラティリティが高いほど大きな利益を得られます。
このボラティリティについては、「ボラが高い」「ボラが低い」などと略して使われることがあります。大きな利益を得るためには、ボラティリティが高い通貨ペアがいいのですが、その反面、損失も大きくなりやすいため注意が必要です。そのため、損失のリスクを減らしたい場合は、ボラティリティが低い通貨ペアをあえて選ぶという方法もあります。
特に、FX初心者には、ボラティリティが低い通貨ペアがおすすめです。
マーケット情報の豊富さ
通貨ペアを選ぶ際には、マーケット情報の豊富さも重要なポイントです。これは、取引する通貨に関する情報が入手しやすいかどうかになります。
値動きなどが理想的な通貨であっても、その通貨の国内の情報が少ない場合、値動きの予想が難しくなり、取引がうまくいかないケースがあります。そのため、通貨ペアを選ぶ際には、その国の情報の入手しやすさも十分に考慮する必要があります。
FX初心者であれば、情報が入手しやすい米ドル、ユーロ、円、ポンドなどの主要な通貨がおすすめです。
スプレッド(コスト)
FXの取引では、ほとんどの手数料は無料である場合が多いのですが、FX特有のスプレッドというコストがかかります。このスプレッドは通貨ペアによって異なるため、重要なポイントです。
スプレッドは取引上のコストになるため、スプレッドが高い通貨ペアを選ぶと、取引するだけでコストが多くかかることになります。スプレッドが大きくても利益が狙える通貨ペアも存在しますが、FX初心者であれば、まずはスプレッドが小さい通貨ペアから始めるのをおすすめします。特に、スキャルピングやデイトレードなどの短期売買を行う場合は、このスプレッドは大きな要因となるため、よく調べてから取引を行いましょう。
スワップポイント
FXの取引では、スワップポイントと呼ばれている「金利差により発生する損益」があります。FX取引をしている方には、このスワップポイントを狙っているケースもあります。
スワップポイントは、通貨ペアの金利差により異なります。そのため、高金利の通貨と低金利の通貨ペアでは、スワップポイントは大きくなり、逆に、金利差が少ない通貨ペアでは小さくなります。
一般的に高金利の通貨はリスクが高いのですが、スワップポイントが大きいと得られる利益は大きくなります。スワップポイントで利益を上げるためには、高金利の通貨を選ぶ必要があるため、初心者にはあまりおすすめできません。
わかりやすさ
FX取引での通貨ペア選びでは、わかりやすさもポイントです。つまり、扱う通貨について馴染みがあるかどうかで、例えばアメリカドルや円などは、身近に接する機会が多いため、値動きなども予想しやすくなります。
これが、馴染みのない国の通貨同士のペアの場合、どちらの通貨もよく分からないため、値動きの予想は難しくなります。特に初心者の場合は、値動きの予想に慣れていないため、まずは馴染みがある主要な通貨ペアから始めるようにしましょう。
FX取引の初心者におすすめの通貨ペア
ここからは、FX取引における通貨ペアのおすすめをいくつか紹介します。おすすめの通貨ペアは、目的別に紹介します。
まずは、FX初心者におすすめの通貨ペアです。
米ドル/円
初心者にまずおすすめする通貨ペアは「米ドル/円」です。米ドル/円は、日本国内のFXで一番多く取引されている通貨ペアです。
流動性の高さやボラティリティ、情報の豊富さ、スプレッドなど、上記で紹介したポイントが押さえられている上、馴染みが深いため初心者におすすめできます。
また、取引量が多いため取引が成立しないことがなく、急激な価格変動が起きにくいため、リスクが小さいのもおすすめできるポイントです。どちらも基軸通貨であるため、まずはリスクを抑えて取引をしたい場合におすすめです。
ユーロ/円
次におすすめできる通貨ペアが「ユーロ/円」です。ユーロは欧州でメジャーな通貨であり、日本国内での取引量も多くなっています。
流動性も高く、情報も豊富であり、スプレッドも狭いため、取引コストがあまりかからない点もおすすめできるポイントです。ユーロ/円は、米ドル/円以外の通貨ペアを探している場合におすすめできます。
ポンド/円
イギリスの通貨と円の組み合わせの「ポンド/円」も日本国内では取引量が多く人気がある通貨ペアです。流動性が高く、情報も豊富など、米ドル/円と同様にポイントを押さえていますが、ボラティリティが大きいという特徴があるため、損失が大きくなるリスクがある点に注意が必要です。
ポンド/円は、米ドル、ユーロ以外の通貨を検討している場合におすすめできます。
スキャルピング・デイトレードにおすすめの通貨ペア
次に、スキャルピング・デイトレードを行う場合におすすめの通貨ペアを紹介します。
スキャルピング・デイトレードは主に短期売買で利益を上げる方法で、FX特有の取引方法です。短期売買を行う場合、流動性の高さとスプレッドの狭さが重要なポイントになります。
特に短期売買では取引回数が多くなるため、スプレッドの影響はかなり大きくなります。
また、流動性が低いと取引が成立しづらいため、短期売買には不向きです。
米ドル/円
初心者におすすめの通貨ペアでも紹介しましたが、「米ドル/円」は短期売買目的でもおすすめの通貨ペアです。
米ドル/円は、スプレッドが狭いため取引コストを抑えられるので、取引量も多いため、短期売買でもおすすめできます。また、値動きが小さい相場が続くことが多いため、大きな損失が出るリスクが少ないのもポイントです。
短期売買に挑戦してみたい方は、まずは米ドル/円から始めてみましょう。
ユーロ/円
「ユーロ/円」も短期売買でおすすめできる通貨ペアです。
米ドル/円よりは若干劣るものの、スプレッドは狭く、取引量も安定して多いため、短期売買でもおすすめできます。急激な価格変動が少ないため、リスクを抑えられるのもおすすめのポイントです。
ユーロ/円は、米ドル以外の通貨で短期売買を行いたい場合におすすめできます。
ユーロ/米ドル
「ユーロ/米ドル」は、取引量が1位の米ドルと2位のユーロの2つの基軸通貨を組み合わせた通貨ペアです。
日本国内ではあまり馴染みがない通貨ペアですが、世界中で最も取引されている通貨ペアとなっています。流動性が高く、スプレッドも狭いため、コストを抑えて取引できます。
ただし、時差の都合で取引が活発になるのが日本時間の16時〜21時になるため、時間帯を合わせる必要があります。日中は仕事をしていて時間が取れない方には、適している通貨ペアです。
スワップポイント狙いにおすすめの通貨ペア
次はスワップポイントを狙う場合におすすめの通貨ペアです。スワップポイント狙いは初心者向けではないため、あらかじめ注意しておいてください。
スワップポイントで利益を上げる場合、通貨ペアは高金利の通貨と低金利の通貨の組み合わせになります。高金利の通貨は、流動性が少なく、価格変動が高く、通貨としての信頼性が低いというリスクがあります。
そのため、初心者にはおすすめできませんが、スワップポイントで利益を出すためには、高金利通貨を選ぶことは必須条件です。
この点を理解した上で、取引を行いましょう。
メキシコペソ/円
スワップポイント狙いで、まずおすすめするのは「メキシコペソ/円」です。メキシコペソは、文字通りメキシコの通貨です。
メキシコペソの政策金利は11.25%と、他の基軸通貨と比較して高く、緩やかな上昇トレンドとなっているのがポイントとなっています。
通貨の金利は高いものの、安定感があるため、スワップポイント狙いでおすすめできます。
スワップポイント狙いに挑戦してみたい方は、まずメキシコペソ/円から始めてみてはいかがでしょうか。
トルコリラ/円
スワップポイント狙いで利益を上げるためには、高金利の通貨を選ぶ必要がありますが、高金利な通貨として人気があるのがトルコの通貨であるトルコリラです。以前は高金利として有名だったトルコリラですが、近年利下げを繰り返した結果、現在は政策金利が8.5%と比較的落ち着いています。
トルコは政治不安が大きく、リラの価格が頻繁に暴落しているなど、リスクが大きいため、取引する場合はリスクを十分に検討した上で慎重に行いましょう。
南アフリカランド/円
南アフリカの通貨である南アフリカランドも高金利で人気の通貨です。南アフリカランドの現在の政策金利は7.75%となっています。
ここまで紹介した他の通貨と比べると金利はそこまで高くないのですが、スワップポイントで利益を狙うことは可能です。南アフリカランドは、通貨の価値が資源価格に大きく影響されるため、取引する場合は、南アフリカの鉱山資源の動向も確認するようにしましょう。
まとめ
ここまで、FXの取引におけるおすすめの通貨ペアについて解説しました。FXの取引では、必ず2つの通貨のペアで取引する必要があり、どの通貨を選ぶかが重要になります。
通貨ペアを選ぶポイントには、流動性の高さやボラティリティ、情報の豊富さなどがあり、FX初心者の場合は、リスクを下げるため、メジャーな基軸通貨がおすすめです。
FXは大きな利益を得られる反面、損失も大きくなるため、リスクを十分に理解した上で取引を行うようにしましょう。
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